華の詩ハナノウタ

想いを言葉にした詩集です

三本の鍵

家財処分の前日 もぬけの殻となった家での宝探し 私が持ち帰ったもの・・・ ハナおばあちゃんと おせち料理を囲ん […]

ホーム入居の朝

抜き足差し足忍び足 脱いだ靴を持ちながら 一人暮らしの母の家に侵入 居間の入口から覗き込むと 母はこちらに顔を […]

安心の代償

母に隠しながら進めてきた 老人ホームの入居準備 いよいよ明日決行という前夜 緊張や不安が迫る そして寂しさも […]

自分崩し

二十五年間の拒食と過食の行き来は 言うなれば 積み上げと破壊のループ 世間の理想の型にはまらなければと 強迫的 […]

トンチンカン

日に日に進む認知症 私は母のトンチンカンに振り回され 母は私(世間)のトンチンカンに振り回される だけど 母は […]

手紙

亡き父の妹  八十四歳の叔母から手紙が届いた 父をずっと変わらず慕ってくれた 踊りを楽しむ朗らかで優しい人 寝 […]

徘徊

交番から身元引き受け要請 連日三日目の夜 十数回の長い着信バイブや 数時間おきのノックに気付いていたが 部屋中 […]

寄り道

交番からの着信履歴 常習となった母の身元引受要請 「娘が帰ってこない」と言っているので 迎えに来てください 仕 […]

華の詩 – ハナノウタの由来

父の母は「ハナ」といいます 母の母は「ウタ」といいます 私の名の一字目に「華」があり 自助グループのアノニマス […]

コダワラナイ

認めてもらおうとして背伸びする安心してもらおうとして縮こまる必要としてもらおうとして塗ったくる許してもらおうと […]

手を振り合う母娘

毎朝の安否確認扉を開ける瞬間少し覚悟する靴を脱ぎながら杖に目をやり味噌汁の香りにひとまずホッとする毎度ニョッと […]

階段

大通りから玄関まで 七十八段の階段 片手に杖を もう片方で手すりにつかまりながら 一段一段 ゆっくりとのぼる […]

父の名

父の亡き後 役所などで父の名を たくさん書いた 達筆だった父は よく私に言った 「字は丁寧に書きなさい」 普段 […]

ジレンマ

冷凍庫には 生卵や生野菜 冷蔵庫には 賞味期限切れの惣菜 電子レンジには 熱で歪んだタッパー 6の字に繋がれた […]

別れの朝に

高架下の安置所に 横たわる父 蝋燭は灯り 2本並んだ線香 母と交互に 覗き込む顔は 安らかに語らう 時折電車が […]

ソコヂカラ

淋しさや貧しさを 理由にしたくない 仕事も 音楽も 恋も これくらい 自分で満たしてやらぁ

最期の会話

90歳の病床の父に 耳元で話しかけた 「今までの人生で 何が一番嬉しかった?」 すると真っ直ぐに返ってきた 「 […]

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