別れの朝に

高架下の安置所に

横たわる父



蝋燭は灯り

2本並んだ線香



母と交互に

覗き込む顔は

安らかに語らう



時折電車が

ガタゴト

頭上を駆け抜ける



懐かしんでいた歌

私の息がリコーダーを伝って

高らかに響く『春がきた』



旋律が終わるや否や

余韻を割って拍手する母

父のふくれっ面が目に浮かぶ




ピース・クラウンのタバコ

手編みのマフラー

妹からの一通の手紙

財布に入れていた私の名刺

花々とともにたむけよう



父の姿を見納め

感謝と尊敬を放つ


「お父さんの娘でありがとう」




“別れの朝に” への2件のフィードバック

  1. お父様 ご愁傷様でした。

    私の母も昨年、天国にいきました。
    寂しくなりますが、
    気を落としませんように。

    どうぞ、お母様を大切に。
    カイさんもね。

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    • ありがとうございます。寂しいですが、ずっと近くにいるようで心強くもあります。

      弘子さんのお母様もきっと天国で見守っておられるでしょうね。
      弘子さんもお身体を大切に、穏やかな日々を過ごされますように。

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